瓦屋根の「棟(むね)」を徹底解説!美しさと家を守る役割と適切なメンテナンス方法

瓦屋根の棟(むね)とは? 役割とメンテナンス方法

日本の住宅建築を象徴する瓦屋根。
その中でも、屋根の頂上部分や、屋根面が集まってできる線状の部分である「棟(むね)」は、特に目を引く重要な箇所です。
瓦屋根の棟は、単にデザインの要となるだけでなく、家を雨風から守るための機能や、古くからの伝統、文化的な意味合いも込められています。

この記事では、瓦屋根の棟部分に焦点を当て、各部位の名称や役割、装飾に込められた意味、そして棟部分が劣化する原因や適切なメンテナンス方法、さらには地震や台風といった箕面市を含む地域でも起こりうる自然災害への備えについてまでしっかり解説します。
ご自宅の瓦屋根の棟について知りたい方、メンテナンスを検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください!

目次

瓦屋根の「棟(むね)」とは?

漆喰工事後の瓦屋根

瓦屋根の「棟(むね)」とは、簡単に言うと、屋根面が交わってできる「山折り」の部分を指します。
屋根の最も高い位置にある水平な棟(大棟)や、そこから軒先に向かって斜めに下がる棟(隅棟、下り棟など)があります。

棟は屋根の中で最も高く、風雨の影響を受けやすい部分でありながら、複数の屋根面が集まる箇所の雨仕舞い(雨水の浸入を防ぐ仕組み)を担う、極めて重要な役割を果たしています。
棟がしっかりしていないと、そこから雨水が浸入し、屋根裏や建物構造に深刻なダメージを与えてしまう可能性があります。

棟の種類とその役割

棟は種類によって役割も違います。

大棟(おおむね)

大棟

屋根の最も高い位置に水平に通る棟です。
屋根全体のシンボルであり、最も目立つ部分ですね。
屋根全体の雨仕舞いとバランスを取る役割があります。

隅棟(すみむね)

隅棟

入母屋造りなど、屋根の隅で大棟から斜めに下がる棟です。風の影響を受けやすく、強度確保が重要です。

下り棟(くだりむね)

大棟から屋根勾配に沿って下方向へ伸びる棟です。屋根全体の耐久性を高める役割があります。

袖棟(そでむね)

屋根の端部分に取り付けられる棟です。風の影響を受けやすいため、しっかりと固定されている必要があります。

棟部分の瓦について

瓦屋根の棟は、一枚の瓦ではなく、いくつかの種類の瓦や素材を組み合わせて積み上げることで作られています。

熨斗瓦(のしがわら)の役割

棟の土台となる平たい瓦です。
複数枚を重ねて積み上げることで棟の高さや強度を出し、棟瓦の下地を形成します。
熨斗瓦を積み重ねることで、雨水が棟の内部に入り込むのを防ぎ、雨水を左右に流す役割も担ってくれています。
積み上げる段数が多いほど、重厚で格式高い印象になります。
瓦割りのパフォーマンスに使われるのは、この熨斗瓦が多いです(笑)

冠瓦(かんむりがわら)の役割

棟部の瓦施工(冠瓦の固定)

熨斗瓦を積み上げた最上部に被せる、丸型や山型の瓦です。
「丸冠瓦」や「山冠瓦」とも呼ばれます。
棟の最上部からの雨水の浸入を完全に防ぐ「蓋」の役割を果たし、棟全体の雨仕舞いを完成させます。
また、棟の見た目を引き締め、美観を整える役割もあります。

鬼瓦(おにがわら)の役割と意味

棟の両端に取り付けられる、装飾性の高い瓦です。
鬼の顔を模したものや、幾何学模様、植物、獣などをデザインしたものなど、様々な種類があります。

機能的な役割

棟の端部を塞ぎ、雨水や風が棟の内部に侵入するのを防ぐ雨仕舞いの役割を果たします。

装飾的な役割

棟のシンボルとして、建物の風格を高め、デザインのアクセントとなります。

象徴的な意味

古くから魔除けや厄除け、家内安全の願いを込めて取り付けられてきました。家を守る「守り神」のような存在です。

巴瓦(ともえがわら)の役割

巴瓦

主に軒先部分の丸瓦の先端に取り付けられる瓦ですが、棟の末端などに使われることもあります。
渦巻き状の「巴」模様が特徴で、装飾的な役割と共に、魔除けの意味を持つとも言われます。

これらの瓦が、葺き土(ふきど)や漆喰(しっくい)といった材料で固定され、一つの「棟」として組み上げられます。

棟部分の施工方法:伝統工法と現代工法の違い

瓦屋根の棟を施工する方法には、古くから伝わる技術と、現代の技術を活かした方法があります。

伝統工法(湿式工法)の特徴

葺き土

瓦を積み上げる際に、粘土質の葺き土(ふきど)を土台として使用し、瓦同士の隙間や棟の表面を漆喰(しっくい)で塗り固める工法です。
昔ながらの重厚感のある仕上がりになります。
しかし、葺き土や漆喰は、紫外線や雨風によって徐々に劣化し、痩せたり、ひび割れたり、剥がれたりするため、定期的なメンテナンスが不可欠です。
また、重量があるため、地震時の建物への負担も大きくなる傾向があります。

現代工法(乾式工法)の特徴

葺き土や漆喰の使用を最小限にするか、全く使用せず、代わりに金属製の支持金具や専用の接着材、面戸(めんこ:瓦と下地の隙間を塞ぐ部材)などを用いて瓦を固定する工法です。
耐震性の向上を目的に開発され、軽量化と瓦の固定力強化を実現しています。
葺き土や漆喰の劣化によるメンテナンスの手間が少なくなるというメリットがあります。
近年、地震対策として採用されることが増えています。

特に地震が多い日本において、現代の乾式工法は耐震性の面で圧倒的に人気があります!

棟部分の劣化サインとメンテナンス・修理のポイント

漆喰補修された瓦屋根

瓦屋根の棟部分は、屋根の中でも最も高く、風雨や日差し、地震の揺れといった外部からの影響を受けやすい箇所です。
そのため、他の部分よりも劣化が進みやすく、定期的な点検とメンテナンスが非常に重要になります。
棟部分の劣化を放置すると、雨漏りや、最悪の場合、棟瓦の崩落といった危険な状況に繋がることがあります。

見逃したくない棟部分の劣化サイン

棟瓦のズレや傾き

棟を構成する瓦が、本来の位置からズレたり、まっすぐに積み上がっておらず傾いていたりする場合、固定が緩んでいるサインです。

鬼瓦のぐらつきや浮き

棟の端にある鬼瓦が、触るとぐらついたり、棟から少し浮いて隙間ができていたりする場合、固定用の漆喰などが劣化しています。

漆喰のひび割れや剥がれ

漆喰補修ビフォー

棟瓦の隙間を埋めている白い漆喰が、ひび割れていたり、ポロポロと崩れて剥がれていたりする場合、防水性が失われ始めています。

葺き土(ふきど)の流出・露出

伝統工法の場合、棟の内部の葺き土が雨水で流出し、外から見えている状態は、棟の構造が不安定になっているサインです。

棟の歪みや沈下

棟の歪み

棟全体がまっすぐではなく歪んでいたり、一部が沈んでいたりする場合、下地材の劣化や構造的な問題が起きている可能性があります。

雨漏りの発生

雨の日に、棟の真下の天井などにシミができたり、水が滴ってきたりする場合、棟部分からの雨漏りが強く疑われます。

棟部分のメンテナンス・修理方法

棟部分の劣化が見られた場合は、その状態に応じた適切な修理が必要です。

漆喰の詰め直し・塗り直し(漆喰補修)

漆喰の詰め直し

棟瓦自体のズレは軽度だが、漆喰が痩せたり剥がれたりしている場合に、古い漆喰を取り除き、新しい漆喰を詰め直したり塗り直したりします。
これにより、棟瓦の隙間を保護し、雨水の浸入を防ぎます。 適用範囲:漆喰の表面的な劣化が主な場合。

棟瓦の取り直し(積み直し)

棟瓦がズレたり傾いたりしているが瓦自体の再利用が可能な場合に、一度棟瓦を解体し、下地の葺き土や漆喰を新しくして、棟瓦を積み直す工事です。
棟の歪みを矯正し、固定力を回復させます。
適用範囲:棟瓦のズレや葺き土の劣化が見られる場合。

棟の解体・新設

棟の劣化が激しい場合、瓦の破損がひどい場合、あるいは棟の構造自体を変更したい場合(例:耐震性の高い乾式工法に変更したい場合)に、棟部分を全て解体し、新しい材料で一から積み直す工事です。
適用範囲:棟の劣化が広範囲、乾式工法への変更、瓦の破損が多数の場合など。

これらの修理方法は、棟の長さや状態、使用する瓦の種類や工法によって費用が異なります。
正確な費用を知るためには、専門業者に現場を見てもらい、見積もりを取ることが重要です。

箕面市での災害対策:棟の補強と火災保険の活用

箕面市を含む関西地方は、地震や台風の影響を受けることがあります。
屋根の棟は特にこれらの自然災害による被害を受けやすい箇所であり、適切な備えが重要です。

災害に強い棟にするための補強策

乾式工法への変更: 伝統的な湿式工法の棟を、金具や専用材で固定する乾式工法に変更することで、棟の軽量化と固定力の強化ができ、地震や強風に対する耐震性・耐風性が向上します。

耐震金具の追加: 既存の棟に、地震時の揺れによる瓦のズレや落下を防ぐための専用金具を追加で設置する補強方法もあります。

定期的な点検の重要性

台風シーズン前や、地震の後には、必ずご自宅の棟部分にズレやひび割れ、浮きなどがないか、安全な場所から目視で確認しましょう。
小さな異常でも、強風時に大きな被害に繋がる可能性があります。

もし被害に遭ったら?火災保険の活用

台風や強風、地震といった自然災害が原因で瓦屋根の棟(瓦、漆喰、鬼瓦など)が損傷した場合、加入している火災保険が適用できる可能性があります。

保険適用が期待できる主な原因

風災: 台風や強風によって棟瓦がズレたり、飛んだり、破損したりした場合。

地震保険: 地震の揺れで棟が崩れたり、瓦が落下したりした場合。(※多くの場合、地震による被害は火災保険だけでは補償されず、地震保険への加入が必要です。)

物体の落下・飛来: 台風で飛んできた物が棟に当たって破損した場合など。

保険申請の流れのポイント

安全確保: 棟の被害確認は危険です。必ず屋根工事の専門業者に依頼しましょう。

被害状況の記録: 業者に診断を依頼し、被害箇所や状況を写真に撮ってもらいます。

保険会社への連絡: 被害が確認できたら、できるだけ早く保険会社に連絡し、申請手続きを開始します。

業者からの見積もり・報告書の提出: 専門業者に作成してもらった修理費用の見積もり書や被害報告書を保険会社に提出します。

保険会社の調査: 必要に応じて保険会社の調査員が現地確認を行います。

火災保険をうまく活用することで、自然災害による棟の修理費用負担を軽減できる可能性があります。
棟に被害が見られたら、まずは専門業者と保険会社に相談してみましょう。

まとめ

瓦屋根の棟は、屋根の機能性を保つ上で最も重要な部分の一つであり、同時に日本の住宅特有の美しさを表現する「顔」でもあります。
棟を構成する瓦や素材は、日々の風雨や紫外線に加え、地震や台風といった自然災害の影響を受けやすく、劣化しやすい箇所です。

棟のひび割れやズレ、漆喰の剥がれといったサインを見逃さず、定期的な専門家による点検を行い、必要に応じて適切なメンテナンスや修理を行うことが、雨漏りを防ぎ、屋根全体の寿命を延ばし、大切な家を長く安全に保つためには不可欠です。
特に、地震や台風が多い地域にお住まいの方は、棟の補強や乾式工法への変更なども含め、災害への備えを検討することが重要です。

箕面市で瓦屋根の棟について気になることがある、点検やメンテナンスを検討したいという方は、迷わず屋根工事の専門家にご相談ください。

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